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国際ペン東京大会 2010 朗読劇「洪水の年」

開催日:2010年9月29日 (水)
開催場所:東京都 カナダ大使館
時間:14時30分開演
料金:0円
関連web: 日本ペンクラブ (http://www.japanpen.or.jp/)
内容:
マーガレット・アトウッド──Margaret Atwood
●日程表/●プログラム

◎基調講演 9月26日 16:20~17:05 大隈講堂
カナダを代表する女性作家アトウッド、華人系作家として初めてノーベル文学賞を受賞した高行健。多文化主義へと雪崩を打つ現代世界のただなかで、果敢な創作活動を行なう2人が見据える地球環境と現実。文学は、そして、われわれはどこへ行くのか。同時通訳付き。

◎共催プログラム 9月29日(カナダ大使館)
13:30~14:30 阿刀田高・日本ペンクラブ会長との対談
14:30~16:00 朗読劇「洪水の年」(アトウッドも出演)

カナダの小説家、詩人、児童書作家、劇作家、批評家。トロント大学、ハーバード大学大学院で英文学を学んだ後、ブリティッシュ・コロンビア大学等で教鞭をとる。学生時代ノースロップ・フライの影響を受け、神話と原型への回帰はその後の創作に影響を及ぼしている。詩集『サークル・ゲーム』(1966)でカナダ総督文学賞を受賞。69年には鋭い社会風刺を含んだ最初の小説『食べられる女』を出版。以後、繊細な言語感覚と鋭い問題意識で多くの長編小説、短篇集、児童書、評論、詩集等を発表している。「1970年代後半から始まったカナダ文学の開花はアトウッドによってもたらされた」とも言われている。小説作法は多様で、膨大な古典の知識をもとに、選びぬかれた言葉と多重構造の魅力なストーリーテリングで読者を惹きつける。ブッカー賞をはじめ、多くの文学賞を受賞。
 アトウッドの活動は創作だけではない。カナダ作家組合会長、カナダペン会長を歴任。人権問題、環境問題についても活発に政治的提言、講演を行っている。(佐藤アヤ子記)

──朗読劇「洪水の年」
マーガレット・アトウッド作 小説The Year of the Flood(『洪水の年』)のためのDramatic Reading
この作品は、2009年9月出版のマーガレット・アトウッドの小説The Year of the Flood(『洪水の年』)のプロモーションのためのドラマティック・リーディングである。

──梗概
時代は進み、種も異常な早さで変化している。今や社会の協定は実質のないものと化し、生物体を取り巻く自然環境も不安定な状態となっている。そのような未来世界で、科学と宗教を組み合わせた教義を崇めつつ動植物の生命保護に献身する宗教団体「神のガーデナー(庭師)たち」の教祖Adam Oneは、地球を破壊するような大天災が起きる、と長い間予言してきた。ついにその天災が生じ、ほとんどの人間たちが跡形もなく消え去ってしまった。生き残ったのは二人の女性、高級セックスクラブの部屋にいた若きダンサーのRenと贅沢なスパに身を隠していた「神のガーデナー(庭師)たち」の信徒Toby である。他に生き残ったものは・・・。
本作品のなかで、アトウッドは面白可笑しく彼らの宗教を利用している。皮肉たっぷりに誇張され賛美歌は、歌詞はエコロジカルで曲は教会的。レンもトビーも非宗教的理由から入信したことがわかってくる。しかし、信者ガーデナーたちの優しさと仁愛の精神はユーモラスでもあり、希望でもある。彼らの教義は馬鹿ばかしいけれど、企業が優先する露骨な物質偏重よりまし、とアトウッドは提示しているようである。
(佐藤アヤ子記)

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